世の中にあるフェイク 【藤丸・東京】

こんにちは、藤丸です。

子どもの頃、珈琲が苦手でした。

毒みたいに苦い黒い液体を体内に取り込むことに何の楽しみも見出せなかった。

牡蠣も苦手でした。

今ではどちらも好きで、わざわざ産地にこだわって珈琲豆を取り寄せたり、自分へのご褒美としてオイスターバーでコースを食べたりします。

思えば、小さい頃に飲んで好きになれなかった珈琲は缶コーヒー、もしくはお湯で溶かして飲むタイプのものでした。牡蠣も印象に残っているのはスーパーで売っている鮮度の落ちたカキフライ。

世の中は便利になって、夏野菜が冬に食べられるようになった。

珈琲も、わざわざドリップしなくてもボタンひとつですぐ飲めるし、誰かが揚げたカキフライはスーパーですぐ買える。

ふと思うのは、もし自分が小さい頃に食べた牡蠣がその日の朝に獲れた新鮮なものだったら苦手じゃなくなっていたか。

初めて飲む珈琲が、今の自分が丁寧に淹れるドリップ珈琲だったら苦手じゃなくなっていたか。

自分のはじめてはもう失われてしまったから、二度と体験することはできないけれど、時々ふとそんなことを考える。

はじめての体験がリアルであること。

フェイクばかりになってしまった世の中で、対比するように鮮やかに人間の心を動かすリアルなものたち。

日常生活の全てをリアルな体験にすることはほぼ不可能になってしまった世の中で、それでもここぞというときはリアルな体験を大事にしたい。それって結局自分を大事にするということ。

藤丸のプロフィールはフェイクだけれど、会って隣に座って体温を感じる瞬間、無意識に匂いを感じる瞬間、肌を重ねてじんわりとした気持ちになること、抱きしめられて力を抜いて身を任せる体験は間違いなくリアル。

そうじゃないなら意味がないから。

フェイクに飽き飽きした人たち、非現実の中の現実を楽しみにおいでよ。

藤丸

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